毎月お決まりの生理がやってくると憂鬱な気分になったり身体の調子が悪くなることがありますよね。
生理痛に慣れて我慢をするのが当たり前だと思っている女性が多いかもしれませんが、どうしても辛い痛みや毎月の不快な症状に悩んでいるときは、専門医に診てもらったり社会の利用できる制度を使ってもっと負担を軽減する方法があります。
「生理は病気じゃない」「女性だから仕方ない」という言葉に惑わされずに、一度自分の生理痛について考え直してみませんか?
毎月の生理痛に悩みはありますか?
毎月生理がくるだけでも憂鬱なのに、症状の重さに悩むことはありませんか。
人によって個人差がある生理痛にはどんな症状があるのでしょうか。
腹痛、腰痛、頭痛など痛みは人それぞれ
生理痛の最も多い症状として、下腹部痛、腰痛、頭痛などがあります。
痛みの原因は、生理になるとプロスタグランジンというホルモンが分泌され、子宮が収縮されて経血の排出を助けるからです。
プロスタグランジンの分泌が多い人や影響を受けやすい人は、子宮の収縮作用などが強くなり腹痛や腰痛に悩む人が多くなることがあります。
また、プロスタグランジンが増えて体中を巡ると、頭痛や吐き気などの症状が出ることもあります。
経血による肌荒れやかぶれ
生理が始まると経血が約1週間ほどかけて体外に排出されます。
生理中はホルモンバランスや肌のバリア機能が低下することで、肌が敏感になり易いので経血によるデリケートゾーンのかぶれや痒みなどのトラブルが増えてしまいます。
普段からデリケートゾーンを心がけて健康な皮膚を保つことが大切です。
「生理は病気じゃない」って誰が言ったの?
生理痛を訴えたことのある女性なら一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
「病気じゃない」と言われてしまうと、どんなに辛い症状でも我慢するしかないと思ってしまう人も多いはずです。
日本の古き文化「女性は言葉にしない」
日本では昔から「女性は控えめに」「女性は一歩下がって」「女性は空気を読む」などの動作を奥ゆかしさや日本の美徳として考えられていました。
女性が自分の意志を尊重すると「我儘を言っている」と思われ、女性だけが抱えている生理痛の辛さを社会に訴えることは世間的に許されませんでした。
この文化が根付いているからこそ、女性達は母や周囲の女性先輩からも「生理痛なんて周りに訴えるものではない」と教えられ、それが当たり前になってしまったのです。
女性なら生理痛は当たり前という考え
「女性に生まれたなら生理、妊娠、出産は当然」
という考え方が昔から押し付けられてきましたが、この代償は日本の重大な損失へとなって返ってきています。
女性達は会社へ行けば男性と同じように仕事と責任があり、帰宅すれば妻として母として家事や育児などの大量の仕事が待ち構えています。
圧倒的に負担が多い女性達に、毎月訪れる生理と生理痛。
腹痛や腰痛に加えて精神的な落ち込みや倦怠感があり、いつも通りに動きたくても動けない辛さ・・・これは当たり前ではないのです。
生理痛を放置すると病気を見逃すかも!?
生理痛を自分の体質だからといって放置してしまうと、実は深刻な病気だったときに見逃してしまうかもしれません。
月経困難症
月経困難症には2種類あり、1つめは「機能性月経困難症」といい、子宮が未熟な場合や子宮口が狭い場合に生理痛を引き起こします。
2つめは「器質性月経困難症」といい、子宮筋腫や子宮内膜症などの病気が原因で生理痛を引き起こします。
明らかな病気が原因なのに我慢をしてしまうと、治療のタイミングが遅くなったり病状が悪化してしまうことがあります。
子宮内膜症や子宮筋腫に注意
「子宮内膜症」とは子宮以外の場所に子宮内膜のような組織がつくられてしまい、月経のように出血をします。
この出血が膣を通って排出されずに子宮外で起こってしまうため、体内に血液が溜まって炎症や痛みを起こしてしまうのです。
「子宮筋腫」とは子宮の筋肉の一部が増殖することによって腫瘍ができる病気です。
良性の腫瘍のためすぐに大きな心配をすることはありませんが、長い時間をかけて成長していきます。
月経時にレバーのような塊の出血が出るのが特徴です。
女性特有の健康課題を意識して!
生理痛は女性がひとりで悩む課題ではありません。
生理痛とは女性が人生の中で長い期間付き合うことになるので、専門医や社会の制度を利用してより暮らしやすくすることが大切です。
迷わず婦人科を受診
毎月訪れる生理痛は繰り返していると、慣れてしまうことがあります。
生理痛の症状を当たり前や我慢するものだとは思わずに、迷わず婦人科を受診することをお勧めします。
自分自身が大したことないと思っていても、大きな病気が潜んでいる場合があります。
もし、病気が見つからなくても辛い症状の原因や特徴を知ることで、生理がくる前に対処する方法や症状を軽くする方法が見つかる場合もあります。
女性に関する休暇を堂々と取れる社会へ
「生理は病気じゃない」という言葉がよぎると休暇がとりにくくなったり、周りの人に痛みや辛さを打ち明けられなくなります。
女性特有の症状だからって我慢をする必要はありません。
人間は生きていると脳の病気、内臓の病気、精神の病気など様々な病気をする生き物です。
女性特有のことだからといって痛みや辛さを我慢して、仕事や家事を無理に続ける理由などどこにもないのです。
もし、会社の上司が男性であっても、夫の仕事が忙しくても、他の病気と同じように生理痛打ち明け、スケジュール調整や負担軽減を主張できる社会であるべきです。
まとめ
多くの会社では自ら「実は生理痛に苦しんでいます!」「本当は仕事が手につかないほど辛い!」と声をあげないと周知されることがありません。
そして、ほとんどの女性が生理痛を我慢して声をあげていないのが現状です。
もちろん、自ら訴えることは大切ですが、もっとひとりひとりの意見が出しやすい環境やプライバシーを考慮した声のあげ方などについても今後の課題となるはずです。
女性特有の健康課題がひとつづつ解消されることで、取り組みを始めている企業とそうでない企業では、これからの成果に大きな差が出ることでしょう。